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カイロプラクティック的「肩こり・腰痛」

※ 本コラムは2022年10月号のアン・ナップルwebに掲載されたものです。2月号の最新コラムはコチラから。

カイロ一筋30年、「骨のズレ」を通じて、日々患者様の身体と向き合う私が、カイロプラクティック視点で健康についてお話しするコラムです。
今回は、基本中の基本「肩こり・腰痛」についてです。


■ 肩こり・腰痛だけではないけれど

「カイロプラクティック」といえば、「肩こり・腰痛を診てもらう所」とイメージされる方が大半ではないでしょうか?
ところが実は、カイロプラクティックの理論的には肩こり・腰痛は適用症状のごく一部に過ぎず、皆様が想像される以上に守備範囲が広く、実に様々な症状に効果が期待できる治療法です。
神経痛や関節痛、自律神経失調症等、当院で診させていただく症状は多岐にわたります。

とは言いましても、やはり患者様の大半は肩こり・腰痛を主症状として訴えていらっしゃるのもまた事実ですので、その症状にスポットを当ててお話ししたいと思います。

■ 肩こり・腰痛は「筋肉疲労」

「肩こり・腰痛」は、よく耳にする言葉ですが、その正体は「筋肉の疲労」による「筋肉痛」です。それでは改めて筋肉痛について考えてみましょう。

例えば、スーパーに買い物に行った時、手持ちの買い物かごが重くなるにつれて、段々と腕の筋肉に痛みを感じるようになることがありませんか?
この痛みは一旦かごから手を放して、しばらく腕を休めていると徐々に消えていきます。
この時に感じる筋肉の痛みが「筋肉痛」です。

それぞれの筋肉には力の限界があります。この限界を超えて筋肉に仕事をさせてしまうと炎症や筋肉断裂等のダメージを受けてしまいます。
この時に当該箇所は本格的なダメージを受ける前に警告信号としての「痛み」を発します。
これを筋肉痛として認識する訳です。

ダメージを受ける前に休息が取れれば筋肉痛は短時間で終息するのですが、休息のタイミングが遅れてしまうと本格的な炎症や断裂に至ってしまい、
「昨日腹筋運動を頑張ったら、今日はお腹がこわっている」というような炎症症状や、
「無理をしたら、ふくらはぎに激痛が出て歩けない」というような断裂症状(肉離れ)に悪化してしまうこととなります。

肩こり・腰痛はこの「ケガをする前に発する警告信号による筋肉痛」を肩や腰の筋肉に感じている状態なのです。

■ 休息や筋トレによる改善

「ケガにまでは至らない疲労の蓄積による筋肉痛」が、肩こり・腰痛ですが、この疲労は休息によって鎮静化します。
一日中仕事をして、夕方ひどくなった肩こり・腰痛が、一晩寝た翌朝にはさほど気にならなくなっているのはこのためです。

逆に「仕事の負担に筋肉が耐えられるように、身体の造りを変える」という手段も考えられます。
1日30分程度の早歩きのウォーキングを主体とした全身運動を心掛けていれば、やがてバランスの良い筋力が身に付き、1日の仕事に筋肉が耐えられるようになります。
耐えられるということは疲労が蓄積しにくいということですから、結果的に、肩こり・腰痛を発症しにくくなるということです。

■ カイロプラクティック的解釈

ただし、上記のような解釈だけでは説明のつかないことがあります。
同じような仕事内容の2人の肩こりの感じ方に大きな差があったり、運動不足の方でもさほど肩こり・腰痛を感じていなかったりという事例です。これはなぜでしょうか?

カイロプラクティックではこの原因を「骨盤・背骨の歪み」と考えています。身体の柱の役目を担っている骨盤・背骨がひどく歪んでしまうと姿勢を上手く維持できず、その分首・肩・腰の筋肉は骨格の代わりに身体を支え続けることが必要となります。

結果、無理をしているつもりはなくても、歪んだ身体をかばい支え続けることが筋肉にとっては重労働となり、疲労による慢性的な肩こり・腰痛に悩まされ続けることとなるのです。

骨格の歪み方には個人差があり、それは自覚症状の感じ方にも個人差として表れます。
つまり、骨格の歪みが少なければ少ない程筋肉の負担も減ることとなり、多少仕事がハードでも、多少運動不足でも、肩こり・腰痛は感じにくくなるということとなるのです。

骨盤・背骨の矯正を行う「カイロプラクティック」が、肩こり・腰痛に大きな効果を発揮するのは以上のような理由によるものです。

日常の偏った動作が多い程に骨格は歪みやすくなります。歳と共にひどくなってきたように感じるその症状は、実は“歳のせい”ではなく、“年々ひどくなってきた歪み”のせいかもしれません。
正しい骨格に矯正して、肩こり・腰痛知らずの身体に改善しましょう。
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