スポーツ選手の故障
 テレビ等でスポーツ中継を観ていると「おーっと!!○○選手が足を押さえてうずくまっている。担架が運ばれてきました。どうやら起き上がれないようですね。チームにとって、ここでの○○選手の戦線離脱は痛いですねぇ・・・」というような場面を目にする事があります。「体力ギリギリの極限状態でプレーをしているスポーツ選手だから、やはり自分達には理解できないようなハードな世界なんだろうな。あのケガは身体を酷使した代償なんだろうな・・・」とほとんどの方が思っていらっしゃるでしょうが、果たしてそうでしょうか?確かにスポーツ選手は私共一般人と比べるとかけ離れた運動量で、体にかかる負担もさぞや大きかろうとは思います。しかしながら、スポーツ選手はその圧倒的な運動量に耐えれるだけの体力作りを日頃から欠かさず行っているわけです。つまり、それだけキチンと身体を鍛えているのであれば、そんなに簡単にケガをしてはいけないのです。ただし「○○選手が相手選手と交錯した再に足の骨を骨折」という場合においてはあきらめなければいけません。より良い成績を収める為には「ケガをしないように穏便に」といかないでしょうから、リスクをいとわないそのプレーには打撲や骨折は付き物と言えるでしょう。しかし、中には「○○選手が腰痛で戦線離脱」や「○○選手が昨年痛めた右ふくらはぎの筋肉痛を練習中に再発」等の事例に関しましては、カイロドクターとしてちょっと首を傾げざるを得ません。
 私共が一般的に診ております患者さん達は「筋力の弱い身体がズレた骨格を支えきれずに肩こりや腰痛を発症」という例が大半を占めます。運動不足の為に弱くなってしまった筋肉がバランスの悪い身体を支えるだけで手一杯になってしまっているので、家事やデスクワーク程度の負担の少ない動作においてもその負担に耐えることができずに筋肉痛を発症してしまうのです。ですから、矯正を行う事で弱い筋肉でも耐えれる程度に骨格のバランスを改善してあげれば症状をなくす事は可能ではあります。しかし、弱い筋力では身体に余裕がありませんので、無理が利かない事には変わりないでしょう。私共は骨格矯正による快調改善にはかなり自信を持っていますが、それと同時に「筋肉も鍛えておいた方が悪くなりにくいですよ」と指導して、少ない回数の治療でも調子が良い状態を維持できるように管理していくわけです。では、バリバリに筋肉を鍛えているスポーツ選手ならば絶対に調子が悪くならないのか?となると・・・まずは次の表をご覧下さい。
 
上の表は腰の筋肉を例に挙げてみましたが、腰に限った話ではなく、身体の全ての筋肉に対して同じことが言えます。確かにスポーツ選手は一般の方よりも筋力は強いでしょうが、その分プレー等の日常生活における筋肉への負担も数段大きなものとなります。つまり一般の方と同じく、筋肉に残された余力はわずかなものとなり、一般の方と同じようなズレ・歪みであっても、筋肉はその負担に耐えることができなくなってしまい、症状を発症してしまうのです。
 例えば一塁に到達する瞬間に太ももの肉離れを起こしてしまった某野球選手のケースを検証してみます。確かにアウトになりたくないために全力疾走していたでしょう。しかし、彼等は全力疾走をする為に今までトレーニングを積んで強固な太ももの筋肉を作り上げてきたはずです。ただ全力疾走するだけが目的の単純な走り方で肉離れを起こしてしまうのはどう考えても腑に落ちません。多分、この選手はひどい腰のズレを抱えていらっしゃるのではないかと思います。腰のズレが足に通う神経を圧迫してしまい、その結果太ももの筋肉に脳からの命令が上手く伝わらなくなり、筋肉が伸びなくてはいけないタイミングで勝手に筋肉が縮んでしまい、それが太ももの筋肉の断裂(=肉離れ)になってしまったのではないかと思われます。ひょっとしたら普段からなんとなくの腰のだるさや違和感、更には肉離れを起こした辺りに以前から張り感やだるさを感じていらっしゃったかもしれません。もしくは、ズレがひどい状態であったならば、骨格のバランスの悪さから身体のコントロールが上手くいかず、成績の好不調の波が激しかったかもしれません。スポーツ界においては、似たような話をよく耳にします。その度に「この選手のズレを矯正すれば故障が治るのではないか?」「骨格のバランスを良い状態に保っていたならばこの選手のスランプはなかったのではないか?」と考えております。
 一般の方の肩こり・腰痛とスポーツ選手の故障は全く別物ではなく、ゆえに一般の方と全く同じように骨格を矯正すれば、スポーツ選手の故障も治るはずなのです。現に当院におきましてはプロ・アマ問わず「走ると足がつる」「肩が痛くてボールが投げれない」「プレー中に腰が痛い」等の症状を幾例も診させて頂いておりまして、かなりの高い割合で改善しておりますので、カイロプラクティックがスポーツ障害に対して効果が高い事が証明されていると思います。しかし、一般的に日本国内におけるスポーツ選手(チーム)専属のスポーツトレーナーは医者・柔道整復師・マッサージ師という立場の方が大半を占めますので、カイロプラクティック的な考えに基く予防や治療という管理が浸透していないのが現状です。今後、カイロプラクティックが日本のスポーツ界に深く係わりを持つようになれば、スポーツ選手の故障者は圧倒的に減る事でしょう。同時に故障しにくい身体を維持できるようになれば、ヒジ・肩・ヒザ・股関節等の手術も必要ではなくなる可能性も考えられ、選手寿命が長くなるという期待もできます。 
 骨格のバランスとスポーツの成績
 実際にあった当院における症例ですが、腰痛の症状で来院された30代の男性がフルマラソンの趣味を持っていらっしゃいました。「3時間30分が私にとっての壁なんですよね。なかなかその時間を切ることができません。」との事。数回程度の治療にて、腰痛も随分改善されていたのですが、ある日その患者さんが目を白黒させて来院されました。「エライビックリしたよ。この間のレースで3時間30分を余裕で切れたよ!!」と。身体の歪みを矯正することで、今まで歪みをかばう為に使っていた筋力を走る為に使う事ができるようになった為だと思われます。この患者さんは腰痛の症状があったわけですが、自覚症状がない場合には矯正しても成績が上がらないとは限りません。次の表をご覧下さい。先の表と似ていますが、今度はズレの程度と運動の関係を表してみました。
 
大半の方が「ズレていれば症状があり、ズレていなければ症状は無い。」と思っていらっしゃるでしょうが、厳密に言うならば間違いになります。「ズレていなければ症状は無い」は正解ですが、「ズレていれば症状がある」は不正解で、「身体が耐え切れない位にまでズレが悪化した時点で症状が出始める」が正解です。つまり、体感的な症状は無くてもズレをかばう為に身体が無理をしている事もあるという事なのです。例えば、同じ筋力・同じ技術の2人の選手がいたとして、2人とも体感的な症状を全く感じていなかったとしても、身体の歪みがひどい選手の方が歪みをかばう為により多くの筋力を割く事になりますので「運動能力は落ちる」という事になってしまいます。「筋力強化で腰痛を克服」というスポーツ選手の話を耳にしたりしますが、腰痛の原因が骨のズレにあるとするならば、強化した分の筋力はズレをかばう為にしか使われておらず、筋力を強化した事によって以前の腰痛がなかった時期と比べて成績がアップするということはないわけです。この状態からズレを矯正すれば、今までズレをかばう為に使われていた筋力を運動の為に使う事ができるようになる為に、腰痛がないばかりか、更なる成績アップまで望めるということになります。
 体感的な症状だけが成績悪化の原因ではなく、「目に見えない潜在的な症状」も存在していて、それがスポーツの成績アップを阻んでいる事も十分ありえるのです。「努力が成績に結びつかない」とお悩みの方は、ぜひ一度お試しください。
 適応症状
― 体調全般 ―

 

 



 
スポーツにおける関節(肩・ヒジ・手首・股関節・ヒザ・足首 等)の炎症・痛み
スポーツにおける筋肉(首・肩・背中・腰・腕・足 等)の炎症・痛み
過度な運動の為と思われがちな変形・損傷
筋肉がつりやすい
身体の筋肉や関節等全ての部位における動かしにくさ・重さ・だるさ 等
― 成績全般 ―





○ 
筋力アップをしてもなかなか成績に結びつかない
(ボール・矢・着地点 等の)狙いが定まらない
頭では理解できているつもりでも上手く身体がついてこない
成績の良い・悪い・スランプ等のムラが多い 等
 補足
 スポーツ障害に対するカイロプラクティックの効果というものは、その大半が「予防」を目的としたものになります。「元々体のバランスが良く、肩がスムーズに動いていたならばボールを投げても肩を痛めなかった筈。」的な考え方です。大きな故障(事故によるケガではない)をしてしまう場合は、必ずと言って良い位その手前の段階で「何となくの違和感や成績不振」を感じているものです。ところが、特に日本人について多く見られる事ですが「気合で乗り切れ」的なノリで、この違和感・不振を無視しがちです。結果、無理が祟って「疲労骨折・関節(軟骨)の炎症や損傷・筋肉の炎症や断裂・じん帯や腱の損傷」を発症してしまうのです。損傷にまでは至らない何となくの違和感程度の時点におきましてはカイロプラクティックの効果は絶大だと思われます。数回程度の治療でも「違和感がなくなって身体がスムーズに動かせる」と実感でき、重大な故障にまで至る事はなくなるでしょう。しかし、放置しすぎて一度重大な損傷に至ってしまうと、損傷箇所の修復が完了するまでは、筋肉のケガで数日間、関節のケガになりますと数週間から数ヶ月は激痛が続く事となります。場合によって損傷の程度次第では手術が必要なケースも出てくるでしょう。その期間はカイロプラクティックで関節の動きをスムーズにする事で痛みを軽減する事はできても、損傷箇所の修復までは不可能ですので、損傷による痛みが多かれ少なかれ必ず残る事になってしまいます。その間は思うように練習もできず、大事な試合もただ見ているだけでヤキモキする事となるでしょうから、やはり軽度な症状のうちに「気合で何とか」と思われないで、「今のうちに治療をしておけば休まなくて済む」という意識でカイロプラクティックを受けられる事をぜひお勧めいたします。