カイロプラクティックでは効果が期待できない症状
−カイロプラクティックの得意・不得意−
 これまでご説明しましたように、カイロプラクティックは非常に高い効果が期待できる有望な治療です。その守備範囲もかなり広く、皆様があっと驚かれるような効果を発揮するような事も多々あります。しかし、当然の事ながらカイロプラクティックも決して万能な治療ではありません。その効果の全ては骨格のズレ・歪みを原因とした「物理的な負担による筋肉・関節・骨格の症状」か「神経系の圧迫から引き起こされる体調不良」のどちらかに必ず含まれるものであって、骨のズレを原因としない症状は我々カイロドクターの手では治せないものとなります。ここではいくつかの可能性とその代表的な症例についてご説明いたします。


−損傷や変形による症状−
 代表的な例では「骨折・脱臼・ねんざ・変形性関節症」等がこれに当たります。骨格の矯正により、どんなに物理的な負担を減らしても、またどんなに神経の圧迫を取り除く事ができたとしても、折れた骨は折れたままという事です。実は意外とこれらの症状で来院される方も多く、損傷の疑いが濃厚な方は当院での治療の前に病院等での受診をお勧めする事もあります。「階段から落ちたのと同時に肩に激痛が出るようになった」というような場合には、まずは損傷を疑ってみてください。他にも「ヤケド・擦り傷・切り傷」等も含まれます。ただし「変形性関節症による痛み」と診断された方でも、まずは一度当院にご相談ください。変形した関節の形状を元に戻す事はできませんが、身体のバランスを整えて患部にかかる負担を減らす事で症状を改善できるケースも多々あります。
 実はギックリ腰や寝違いや四十・五十肩も炎症・損傷に含まれる症状で、患部の筋肉や関節が傷ついている状態です。ただし、これらの症状におきましては「骨格の歪みを放置したが為に発症したもの」とカイロプラクティックでは考えていますので、予防は十分可能だと考えます。普段から頻繁に肩こり・腰痛に悩まされている方が、重症化してそのような症状に至るケースが大多数ですので、悪化する前の早めの骨格矯正を強くお勧めします。一度発症したギックリ腰や寝違いや四十・五十肩はその損傷箇所が修復するまでの数日から数週間の間は激痛が続きます。この期間中における骨格矯正は痛みを伴わない程度のソフトな矯正であれば受けても差し支えないでしょうが、矯正を行った事で炎症・損傷がたちどころに治まる事はありませんので、多少軽くする事はできても、傷口の修復が完了しない限りは劇的な回復は期待されない方が無難です。負担の少ない真っ直ぐな骨格を保つ事ができれば、それらの症状になる事は滅多にないでしょう。損傷・変形においてはカイロプラクティックは「予防」に対して大きな信頼のある治療であって、損傷・変形を「修復」するものではありません。


−ウイルスや細菌等の感染による症状−
 インフルエンザや結核やマラリヤ等のウイルス・細菌・微生物感染を原因とする症状です。投薬治療が最善です。または、一度感染する事によって体の中に免疫ができれば、同種の感染を防ぐ事もできます。「食あたり」等もこれに該当するでしょう。いずれにしても、カイロプラクティックには無縁の病気です。


−栄養の問題や毒物による症状−
 体内の組成栄養素に片寄りがあるために体調を崩してしまう事もあります。「ビタミンB1不足で脚気が起こる」というのは現代人においては滅多に見られなくなりましたが、「カルシウム不足による骨粗しょう症」などにおいては現在でも病院にてカルシウム補助剤が処方されるくらいです。「高カロリー食は糖尿病へ」「プリン体の過剰摂取は痛風へ」というように、近年では現代人の栄養素の取り過ぎによる弊害の方が多く見られるようになってきているようです。「フグ毒にあたる」や「工場廃水に含まれる化学物質により発症」というような毒物による症状も含め、骨格矯正に頼るよりも医者や栄養士の治療・アドバイスの方が為になるでしょう。


−一部の精神障害−
 重大な事件に巻き込まれた被害者がその後精神を病んでしまうような病気(心的外傷後ストレス障害)や薬物中毒を克服した後にも後遺症として残る精神障害(フラッシュバック)等の症状は、カウンセリングや投薬治療を必要とする事でしょう。
 ただし、カイロプラクティックと精神障害が全く関連がないとは言えないケースもあります。当院において患者さんの感想として「身体が軽くなってとてもうれしいのですが、その為か最近イライラしなくなってきて、細かい事で子供を叱らなくなりました。以前は怒った後で『何であんな事で怒ってしまったのだろう』と後悔する事が多かったのですが。」という種類の話をお聞かせいただくことが多いのです。この場合は「健康を害していた事が精神的なストレスになっていた」と表現する事ができるでしょう。一度当院へご相談いただく価値は十分にあると思われます。
 全ての医療において、精神障害に対する研究はまだまだ発展途上にありますので、カイロプラクティックで治る・治らないの判断は非常に難しいのが現状ですが、少なくとも先に挙げたような症状(心的外傷後ストレス障害・フラッシュバック等)に関しては効果は薄いのではないかと考えられます。


−先天性の問題や遺伝子構造に起因する症状−
 当院にて最も多く見られる先天性の症状としては「先天性の側湾症」・「先天性股関節脱臼」・「先天性のO脚」等が挙げられます。ただし、これらの症状はそれそのものが身体に大きな害を及ぼしている訳ではありませんので「状態」と表現したほうが適切かもしれません。どちらかと言えば、それらの状態を身体がかばおうとして、二次的な症状が現れる事の方が圧倒的多数です。「側湾症は治せないが、それをかばう為に発症した肩こり・腰痛は治せる」という事になります。ただし、中には「後天性の側湾症(生活習慣による骨格の歪みがひどくなったもの)」の方もいらっしゃいます。この場合はカイロプラクティックで改善する事が可能ですので「側湾症」という診断名だけでガッカリされないでください。先天性の股関節脱臼の既往歴がある方でも、見た目に気付かない位に普通に歩けるようならば、カイロプラクティックで体調を良くする事は十分可能(股関節付近の痛みが「関節痛」ではなく「神経痛」である事が多い)ですし、先天性のO脚の方でも生活習慣によってより悪化しているケースも多いので、完全に治す事はできなくても、目立たなくする事が可能な場合もあります。あきらめる前にまずは一度ご相談ください。
 他にも遺伝子構造の問題による症状としては「ダウン症候群」や「先天性心疾患」等が挙げられますが、これらの症状におきましては骨格の矯正によって遺伝子の書き換えを行う事は不可能ですので、残念ながらカイロプラクティックによる効果は期待できません。


−大きな病気やケガの後遺症−
 「脳梗塞を発症した以降に半身がシビレる」といったようなものが代表的な症状です。これは神経を圧迫している事によるものではなく、いわば「脳の組織が破壊された事による錯覚」にあたります。「交通事故の衝撃により神経が傷つけられた事によるシビレ」等においても「損傷」の範囲に含まれますので、カイロプラクティックでは治せません。しかし、病気やケガの治療が完了した後、かなり期間を経てからの症状の発生は必ずしも治せないとは限りません。「脳梗塞(複雑骨折)以降足を引きずってしか歩けなくなって半年ほど経った頃から足腰が痛くなってきた」という症例に関しては、後遺症というよりも「左右均等で歩けなくなった事で骨格が歪み腰痛や神経痛を発症している」という二次的な新しい症状の可能性が高く、カイロプラクティックによって解決できる可能性が非常に高いからです。実際に大きな病気やケガの後遺症とあきらめていらっしゃった患者さんが当院にて劇的に改善するケースも見られます。特に多いのが「ムチウチは治らない」と思われているケースです。レントゲンやMRI等でもさほど重大な問題は見出せないままに、ずっと悩ませ続けられている頭痛・めまい・手足のシビレ等に関しては、背骨のズレを矯正することで劇的に改善される症例が多々ありますので、最終的な判断は一度カイロプラクティックを受けられてからでも遅くはないと思います。


※ 上記のどれにもあたらない症状や、当ホームページにて書き漏らしている症状もあるかもしれま
  せん。そのような症状の中にもカイロプラクティックで改善の見込みが大きいものもあると思わ
  れます。「治らない筈」とあきらめていらっしゃるその症状でも、まずは一度ご相談ください。他
  の医療機関も含め、最善の方法を提案させていただきます。