「骨のズレ」って何?
 私たちカイロドクターは日常的に「骨のズレ」という言葉を多用します。では、そもそも「骨のズレ」とはいったい何なのでしょうか?私たちと患者さんの間で度々こんな会話のやり取りが行われます。


カイロドクター:「かなり骨盤・背骨がズレてますね。」
患者さん:「いや、そんな筈はないですよ。だってこの間病院でレントゲンを撮って
      貰ったら『異常なし』って言われましたもの。」

カイロドクター:「病院とカイロでは骨の見方が違いますからね。」


お医者さんは主に損傷や変形を中心に『骨』の状態を診られます。カイロドクターは主に骨の位置・バランスを中心に『骨格』の状態を診ていきます。ただし「脱臼」となりますと、確かに骨の位置がおかしくなっている状態となる訳ですが、カイロプラクティックではこれを「損傷」と判断いたしますので、速やかに病院での治療をお勧めする事となります。カイロプラクティックでは脱臼に満たない数ミリ単位の骨の変位を「ズレ」と表現します。この骨のズレが身体に悪影響を及ぼす(神経の通り道には数ミリ程度の隙間しかない部分もあり、数ミリの骨のズレでも神経の圧迫は起こりうる)と考えていますが、これをお医者さんが見れば骨折でも脱臼でもないわけですから「異常なし」となるのです。
 では、なぜズレるのか?諸説ありますが、当院では「事故の衝撃によるもの」と「生活習慣の片寄った動作によるもの」が原因ではないかと考えております。事故によるものは、瞬間的な過度の衝撃によってズレたもので、交通事故に限らず「学生時代に体操をしていて平均台から落ちて首を捻った」「植木の手入れをしていて梯子から落ちて腰を打った」という種類の衝撃も事故に含まれると考えます。ただし、事故の初期の段階(1週間から3ヶ月位、事故の程度による)は骨折・脱臼・捻挫・じん帯損傷等のいわゆる「ケガ」の状態であるために、当院でズレを診るのはそれを過ぎた頃からとなります。生活習慣によるものは、事故程の大きな衝撃ではないにしろ、特定の片寄った動作が長期にわたって繰り返し行われることによって徐々にズレていったものと考えます。例えば「イスに腰掛けて足を組む」「床・畳の上で横座りをする」「荷物を片方の手でばかり持つ」等の日常の何気ない動作でもズレを作ることになるのです。
 このように骨のズレを位置・配列だけで説明すると非常に理解しやすいのですが、実はカイロドクターは骨格の問題を位置・配列だけで診ているわけではなく、「可動性の良し悪し」も参考にして診ているのです。というか、むしろ位置・配列よりも可動性の方を重要視しているとも言えるでしょう。多少ズレていても可動性の良い骨は「矯正の必要なし」と判断することもあるのです。ただズレているかどうかだけならば学習・経験に乏しくとも割とすぐに判断できるのですが、どのズレをどう矯正するべきかとなると、学習・経験を積み重ねないと正確な判断はできないでしょう。また、カイロプラクティックの流派(主流のものだけでも十数種類)によっても診断・矯正の方法が変わってきますのでズレの定義というのは実際のところ少し複雑なものとなっています。